本日1月7日は、人日の節句。七草粥をいただいて、一年の無病息災を願う日です。
1.セリ(芹)「一髪、二化粧、三衣装」
シャキッとした食感で香り高いセリは、凛とした女性のよう。
女性を美しく見せるのは、第一に髪かたちの美しさ。二番目に化粧、三番目に衣装。
似たところでは「髪の長いは七難隠す」ということわざもあります。
2.ナズナ(薺)「一髪、千鈞を引く」
ナズナはぺんぺん草のこと。何も残らない焼け跡のような惨状を俗に「ぺんぺん草も生えない」と言います。
ひとすじの細い髪の毛で千鈞の重さのものを引くような、非常に危険なことをするという例え。
決断をくだす際に「なんとなく行けるかも」で見切り発車するのは危険です。
一髪千鈞(いっぱつせんきん)の賭けになっていないか、
慎重に幾度も見直すことで「間一髪」助かることも多々あります。
3.ゴギョウ(御形)「身体髪膚、これを父母に受く」
ゴギョウの別名は、母子草(ハハコグサ)。
語源は諸説あり、ホウコグサから音が転じたという説もあれば、
葉や茎が白い綿毛をかぶっているさまが子を包みこむ母親のように見えたことからという、
母の愛を感じる説もあります。
人の身体はすべて父母からいただいたものであるから大切にしなければならないという意味です。
4.ハコベラ(繁縷)「苦爪楽髪・苦髪楽爪」
繁殖力が高く、群落をなす越年草のハコベラ。一方、ヒトの身体でよく伸びるのは、髪と爪です。
「苦爪楽髪(くづめらくがみ)」は、苦労しているときは爪の伸びが早く、楽をしているときは髪の伸びが早いという意味。
「苦髪楽爪(くがみらくづめ)」は、苦労しているときは髪の毛が早く伸びて、楽をしているときは爪が早く伸びるという意味。
真逆のことわざのようですが、どちらも意味は同じで、忙しいと髪も爪も伸びるとする説もあります。
5.ホトケノザ(仏の座)「女の髪の毛には大象も繋がる」
その葉の形が仏様の台座(蓮座)のように見えることから名づけられたというホトケノザ。
仏教の経典から広まったことわざに「女の髪の毛には大象(たいぞう)も繋がる」というものがあります。
女性の髪の毛に足を繋がれて動けなくなった大きな象を、煩悩にとらわれて悟りを開くことができない人に例えたもので、
女性の魅力には、男性の心を引きつける強い力があるという意味です。
6.スズナ(菘)「チャンスの神様には前髪しかない」
スズナはカブのこと。「チャンスの神様には前髪しかない」は西洋のことわざです。
機会、幸運をつかさどるギリシャの神・カイロスは、前髪は長いのですが後頭部は禿げています。
チャンスが来たら、すぐに前髪をつかんで捕らえないと、後から捕らえることは出来ないのです。
後ろ髪を引かれる思いで従前どおりのやり方にこだわったり、二の足を踏んだりしているとチャンスを逃します。
7.スズシロ(蘿蔔)「共白髪」
スズシロは大根。真っ白な大根は、日本人が一番よく食べている野菜。
「共白髪」は夫婦ともに白髪になるまで長生きすること。
「白髪は冥土の使い」「白髪三千丈」など、白髪に関することわざはネガティブなものに偏りがちな中で、
美しい言葉だと思います。
いくつになっても美しく、明るい気持ちでいられるように。