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トムとジェリーの最終回(murao) 2009.05.22 Friday 20:03

トムとジェリーの最終回
これは泣き入ります。。。((+▲+))

tom_jerry4.jpg

ジェリーが大人になった頃トムはもうこの世にいませんでした。

トムは自分の命の終わりがすぐ傍まで来ているのを知ったとき、

こっそりジェリーの前から姿を消しました。

ジェリーの前で弱って涙もろくなった自分を見せたくなかったのです。

トムはジェリーの心の中ではずっと喧嘩相手として

生きつづけたかったのです。

トムがいなくなったのに気づいたときジェリーは悲しみはしませんでしたが

退屈になるなと思いました。

トムとの喧嘩は最高にスリルのあるゲームでしたから。

tom_jerry3.jpg

胸の奥が不思議にチクチクはするのですが、

それが何なのか、 ジェリーにはよくはわかりませんでした。

トムの願い通り、ジェリーの心の中でトムはいつまでも

仲の悪い喧嘩相手でした。

そんなある日ジェリーの前に一匹の猫が現れました。

トムよりのろまで体も小さい猫です。

喧嘩相手のトムがいなくなって寂しかったジェリーは、

今度はこの猫を喧嘩相手にしようと考えました。

そこでジェリーは、

穴のあいた三角チーズが仕掛けられたねずみ取りを利用して

その猫に罠をかけることにしました。

いつもトムにしていたように。

tom_jerry5.jpg

ジェリーは物陰に隠れて、ねずみを求めて猫がねずみ取りの近くに

来るのを待っていました。

そして思惑通り猫が罠に向かって近づいてきます。

ジェリーはしめしめと思いました。

いつものように、自分がねずみ取りにひっかかるふりをして、

逆に猫をねずみ取りにかけてやるんだ。

うふふ。

手か尻尾を挟んだ猫の飛び上がる姿が頭に浮かび愉快です。

でも、その猫はトムではありません。

猫はチーズの近くまで来たとき、

ジェリーが出てくるより早く美味しそうなねずみの匂いに気づき、

目にもとまらぬ速さで隠れていたジェリーに襲いかかってきました。

ジェリーはいつもトムから逃げていたように逃げましたが、

トムよりのろまなはずの猫にすぐに追いつかれてしまい、

体をガブリと噛まれました。

ジェリーも噛みつき返しましたが、

トムより体が小さいはずの猫は平気です。

血まみれのジェリーは薄れ行く意識の中で、

本当は鼠が猫と喧嘩して勝てるわけがないことと、

いつもトムはジェリーに「してやられた」ふりをして、

わざとジェリーを捕まえないでいたことを、そのとき始めて知ったのです。

トムの大きな優しさと友情に気づいたのです。

tom_jerry2.jpg

そしてトムがいなくなった時の胸の奥の

チクチクの正体にも気づきました。

かけがえのない友を無くした悲しみでした。

ジェリーの魂が体を抜けた時、

空の上には優しく微笑みジェリーを待っているトムがいました。

tom_jerry7.jpg



「また喧嘩ができるね!」



「のぞむところさ、今度こそは捕まえてやるぞ!!」



 
 
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